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なぜ学校でオイリュトミーをやるのか  (((その4:最終回)))

このシリーズは、これでおしまいです。

今までのやや抽象的な説明が、ぐっと具体的になって、心に響いてくる内容だと思います。

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オイリュトミーの取り組み方や教授法は、それを学ぶクラスのレベルで違ってきます。幼稚園レベルでは、おとぎ話をベースに行い、小学校の下級レベルでは、もう少し明確なフォームを取り入れた流れとなります。幼稚園から一年生に上がるときには、とても明確な飛躍が用意されています。幼稚園では、遊びグループの中で先生についてオイリュトミーに取り組みますが、小学校に上がると、みんなで円になって出来る限りこの円のなかで平等なスペースを確保しながら行うのです。

オイリュトミーでは、円が大変重要な役割を果たします。授業は必ず円で始まり、それをしっかり維持しながら授業が進みます。この状態は4年生か5年生まで続きます。それ以降、子供たちの独立性は増し、自意識が目覚めます。自分たちの意識レベルを向上させるために、教えるほうも少しずつ違ったアプローチをするようになります。円から卒業し、今度は、方向転換し、みんなが同じ方向を向きます。前を向くのです。このようにして、前、後ろ、右、左の方向を新しい方法で体験します。この段階で初めて実際に空間を(自分で)作ることが出来るようになります。(子供のころは円の中には既にスペースがあって、子供たちもそのスペースの一員であった。上級生になって円とは別の方向に向くことでスペースが無限に広がる。そのスペースにフォームを作る、つまり自分の意思で自分の人生を作っていくという環境に変化したということ。)

スペースを作るというのは、オイリュトミーと舞踊の違いの中でももっとも特筆されるべきことのひとつです。言葉と音楽が空間の中に満たされるように、オイリュトミーも空間に充満されなければなりません。そして、この充満は目に見えるものでなくてはならないのです。オイリュトミーにおいては、肉体は楽器であり、空間は楽器を奏でる媒体なのです。

4年生以降では、空間の中に何かを作ることを学びます。空間を作ることを学ぶのです。それは、彫刻家が粘土から作品を創ったりすることに例えられます。また、4つの主要方向にたいして、より強く意識を注ぐことになります。前進するのと後進するのでは違います。右に行くのと左に行くのでは違います。その違いを意識的に理解するのです。まっすぐなラインを作るとき、あるいは、円や四角を描くとき、自分の体をどう使い分けるのでしょうか。
(高学年では)空間にいろいろな形を作り上げるためにグループを作ってそこからはじめます。幾何学的な形を簡単なものからはじめます。そして、少しずつ複雑な形にしてゆきます。しかし、どんな形を作るときも、必ず、全体的にハーモニーが整っていることが重要です。そうすることで、内面と外面の両方で形が出来上がり、子供たち一人一人の社会的な感情を呼び起こします。

1年生で円を作ったとき、両隣の子と同じスペースを維持しながらまっすぐ中心に向かって綺麗な円を維持することは大変な苦労でした。少しずつ、円に動きを加えたとき、その動きがたとえ小さな動きでも、円はすぐに形を崩してしまいます。自分の立ち位置、両隣の立ち位置、円に参加しているお友達みんなの立ち位置を注意深く観察しながら、円を崩してしまわないように適切な自己調整作業が必要となります。自分のステップを注意深く動かさないと、円はたちまちのうちにバランスを崩し、隣の子とのスペースが大きくなりすぎたり小さくなりすぎたりします。円の一部に穴が開いてしまったり、あるいは、別の場所にばかり子供が固まってしまったりします。円は、平等な間隔を維持しながら、大きくしたり小さくしたりすることが出来ます。そうすることで、空間を動きながら、いろいろと違った形を作ることが出来ます。1つの円の中にもう1つの円を作ることもいいでしょう。これをベースに、花の形や星の形などを作ることが出来ます。たとえ一人の子供でも、ボーっとしてよその方を向いていたり、タイミングを逃してしまったら、このような形を作り上げることは出来ません。

たとえば、四角のような簡単な形を作るとき、4人の子供たちのそれぞれが同じタイミングで4隅に移動してこないとなりません。このタイミングは、5つの頂点を持つ星を作るときにより重要となってきます。5方向に散らばるタイミングがまったく同じでなければならないからです。高学年になって形の複雑度が増せば増すほど、高度な集中力が要求されるようになっていきます。グループの中の構成員一人一人の動きがそれぞれ違ったなかで1つの形を作る場合、メンバーは他のメンバーとの関連性をしっかりと理解して動かないとなりません。それは、オーケストラと同じで、一人一人別々の楽器を持っているものの、一緒に奏でれば1つの楽曲を演奏しているということです。

たとえば、カタツムリの殻のようなスパイラルの形は、よくオイリュトミーで使われます。いろいろな形のバリエーション(簡単なもの、複雑なもの)や、その形を動かしたりするかどうか、使い方は様々あるかと思います。このスパイラルは常にハーモニー効果を発揮します。横着で外に発散しすぎるな子供は、スパイラルがその子供を中に中へと入れて優しく包み込もうとします。内向的過ぎる子供は、スパイラルの外に向かうラインに乗せて外へ外へを導いて、心を外に開放させてやるのです。このような方法を通じて、オイリュトミーは子供の内と外を強化するのです。

自分の体を使って崇高な自然の力を体充満させる母音と子音の動き、つまり、オイリュトミーを通して、私たちが何を成し遂げようとしているのか、リズムと空間を作り出す動きが何を目指しているのか、今までの説明で理解していただけたでしょうか。そんな動きを通して、子供たちにもっと調和がもたらされ、オイリュトミーをやらなければまったく別の方法で対応していたかもしれない来るべき思春期の苦労を、オイリュトミーを学んだことで乗り越えることができるようになるのです。

今日思春期を通る子供たちは、心と行動がバラバラで調和が取れていません。

それに、社会全体的に、周りにいる人たちに配慮することがまったく欠如しています。

オイリュトミーは、子供たちの心と行動を結びつけ、思考と感情と意思に調和をもたらします。

そういう理由で、シュタイナー学校ではオイリュトミーを教えているのです。


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