アメリカでシュタイナー・スクールに通う

シュタイナー教育をご紹介します。

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外国語を学ぶ。

シュタイナーでは、外国語を小学校一年生から学びます。

どの外国語を学ぶかは、個々のシュタイナースクールによって違ってきます。

例えば、オークランド・シュタイナー・スクールの場合、フランス語とドイツ語が必修科目として小学校一年生から始まります。一方、デトロイト・ダウンタウンにあるシュタイナー・スクールでは、スペイン語ともう一つ何か外国語が必須だそうです。あるいは、聞いた話によりますと、アラスカのシュタイナー・スクールでは、ロシア語が外国語の必修になっているとか。カリフォルニアに行くと、日本語が必修のシュタイナー・スクールもあるんだそうで。地域によって、特色らしきものが出ている感じがします。

さて、小学校一年生に外国語をどう教えるかというと。

いきなり、日本人の中学一年生が、This is a pen.とか、She is Lucy.というような具合には始めません。

文法とか読み方とか発音の仕方とかには全く触れず、まず、外国語で歌を歌ったり、ゲームをしたりして外国語の音やニュアンスに慣れる環境を児童に提供します。

決して、「THIS」が「これ」で、「IS」が「です」で、というようないわゆる「訳し方」を教えたりはしません。

シュタイナーの教えでは、

「外国語を学ぶときは、自分たちが子供の頃に母国語を学んだときと同じようにするのが望ましい。」

となっています。

私たちは、母国語を一体どうやって学んだのでしょう。

言語能力的に全く真っ白な状態から、何年かすると周りにいる人たちと意志の疎通ができるようになるわけですが、どうやってそこまでたどりつくんでしょう?

赤ちゃんのとき。

周りにいるおとなたちが一生懸命に喋りかけてくれます。

「は~い、ママですよ~。」とか「お~い、パパですよ~」とか、あるいは、「あ~、おしっこ、しちゃったの~?」とか言うような会話を赤ちゃんたちは毎日毎日耳にします。もちろん返事は出来ません。

しばらくすると、「ま、ま」とか、「ぱ、ぱ」とかいう音が発音できるようになります。

そうすると、周りにいるおとなたちが、もっともっと言語的な働きかけをするようになります。

「ほら~、ゾウさん、大きいね~」

とか、

「あ~、転んじゃったの~?痛いね~」

とか。

私たちおとなが小さな子供に対してこういった働きかけをするときは、必ず「それらしく」表現します。

「ほら~、ゾウさん、おおきいね~」

のように。そうしますと、子供たちは、「ゾウさん」ってのが何で、「大きい」ってのが何なのか少しづつ分かってくるわけです。

かなりヘショリましたが、人間が言語を覚えるのって、こんな感じです。

ですから、小学校一年生の児童に、

「日本語で岩というのを英語ではROCKというんですよ~」

とは教えずに、「岩」というキーワードの入った歌なり詩なりを利用してROCKを岩としてではなく、ROCKをROCKとして身に付かせるというのがシュタイナーの方法です。



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教科書

「人智学・その1」の授業が終わって、「子供の発達」の授業が始まりました。

先生は、バーバラ・パターソン女史。今年で結婚55周年を迎える人生の大先輩です。

このバーバラ先生。

身体的にはとってもちっちゃな方ですが、内に秘めたエネルギーが物凄く、「一生現役」宣言をしていらっしゃいます。クリアなマインドとバランスの取れた心の持ち主です。

バーバラ先生の授業で使われる教科書は、先生が書かれた本「ビヨンド・ザ・レインボーブリッジ」です。
教科書原版

もともと教科書として書かれた本ではありません。シュタイナーのことが中心に書かれているわけでもありません。ですから、だれにでもとても分かりやすい内容になっています。

子供の成長、子供の育て方、子供とのかかわり方などが、ある意味ごくごく常識的に説明されているのですが、良く考えてみると、その「常識的」なことがなかなか親として教師として出来ないんですね~。

「言うのは簡単、やるのは大変」

ということです。

でも、バーバラ先生はズーッと今まで親として教育者として本に書かれていることを実践されていらっしゃいます。ですから、彼女には仕事がどんどん降ってきて、引退している暇がないというわけです。

バーバラ先生の本が和訳されていることを先生から聞きました。日本で既に、4000冊ほど売れているそうです。

イラストなど日本風なアレンジになっていますが、とっても読みやすく、バーバラ先生の心が日本語でしっかりと書かれています。
日本語版


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黒板画

「ブラックボード・ドローイング」

と呼ばれているシュタイナー独特の黒板の使い方があります。

これは、もしかしたら米国のシュタイナー・スクールだけなのかもしれません。

黒板は教室の中でも大きな面積を占める目立った存在ですが、何も書(描)かれていなければなんとも無機質なシロモノです。たとえ、授業で何か書いたとしても文字や数字やたまに図形などがかかれるだけでどちらかというと味気のない存在です。

「教育は芸術的であれ」

というシュタイナーの考え方にしたがって、この無機質な黒板を「綺麗」に使うのがシュタイナー学校です。

授業で使う教材を絵として、黒板に沢山の色を使って描くのです。

基本的にシュタイナーでは、どこかの本をコピーして生徒に渡すというようなことはしません。教材を準備する先生にとってはコピーして渡すというのは誠に簡単で楽ちんでよかったりしますが、それは手抜きだと考えられます。

先生が黒板に書いた絵を生徒も自分なりの感性でノートに描きます。丁寧に丁寧に、いろんな色を使って、時間をかけて仕上げてゆきます。だから、覚えるんです。だから、テストなんてしなくても覚えていられるんです。

今週からの黒板画は、「北アメリカ大陸」。

これは、「地理」の授業で使われます。「地理」といってもシュタイナーですから地理だけを学習するということはありません。北アメリカ大陸にまつわる関連事項を全て一緒くたに勉強していきます。

まずは、北米大陸全体図。教室の後ろにある黒板一杯に描かれています。既成の大きな地図をバーンと張るなんて野暮ったいことはしません。これは、5年生の授業ですから、大体の像が掴めればいいので縮尺もいい加減です。でも、ちゃんと北米大陸に見えます。(ちなみに、グリーンランドも北米圏だということを初めて知った私です。恥)
北米大陸

西の方に広がる大草原あたりを勉強するために、こんな絵が描かれました。ワゴン馬車とプレーリードッグは大草原のイメージをよく表しています。
黒板画

ウチのボウズの担任の先生の依頼で、北米大陸地図を描くお手伝いをした私です。大きな黒板に大きく描くのは、本当に難しかったです。でも、スッゴク面白かった~。日曜日の3時間半、超集中してやりました。今、私の頭の中には、北米大陸がドーンと居座っています。

写真はクリックすると大きくなります。

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目に見えないもの



信頼

努力

尊敬

親切

感謝



これだけ様々なテクノロジーが発達して、いろんなことが科学的に証明できるようになって、科学万全のような世の中になってきていますが、どれだけ素晴らしい機械とかが発明されたり、すごい理論が証明されたりしても、上にあるようなコンセプトを目に見える形で証明することは出来ません。

でも、私たちは、「愛」というものが存在することを知っていますし、その逆の「憎しみ」とか、そんなものが存在することも知っています。(もちろん、「愛」なんて存在しないさ!という人がいるだろうことも想像できます)

目に見えないけれども、人間生活をするのにとても大切な「愛」とか「信頼」とかそういったものたちをどうやってこどもたちに教えることが出来るでしょうか。

「愛」に関する本を読んであげる?

「信頼」に関する詩を朗読する?

「努力」と書いたポスターを子供部屋に貼る?

シュタイナー学校のベテランの先生たちは、これらの言葉のヒントが一杯詰まったポケットを沢山持っています。

私は、いくつのポケットを持つことが出来るようになるんでしょうか。

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鋼鉄の意志

「インナー・ディベロップメント」という授業。

シュタイナーの理論に基づいたより良い人間形成に関する授業です。

人間形成というのは、自分が教える児童・生徒のことではありません。教師の人間形成のことです。教師としていかに自分を磨くかを考える授業です。

シュタイナー学校には、一般の学校のように、み~んな統一の教科書やカリキュラムがあるわけではありません。それに、基本的に、一度担任を受け持つと、8年生で卒業するまでずーっと持ち上がりです。ですから、教師一人一人のあり方とか取り組み方というのがとっても重要になってきます。(もちろん、シュタイナーだけではなく、全ての学校の先生に言えることですが。)

授業を通じて、「教師としての覚悟」が試されるわけです。

毎週、ちょっぴり風変わりな宿題が出ます。これらの宿題にはシュタイナーの思想が反映されています。これらの宿題を通して、「やり通す意思」と「集中する意思」を強化します。

第1週目
毎日、大体決まった時間に10分間瞑想すること。とりあえず目をつむりリラックスして意識を集中すること。ろうそくに火をともして、それだけを凝視し、他の事は考えない。他の事に意識が移ってしまったら、ろうそくに意識を戻す。

第2週目
第1週目と同じように10分間の瞑想。今度は、ろうそくではなく、なにか自分なりに意識を集中しやすい対象を考える。例えば、どこかきれいな場所の光景とか、心を動かされた絵画とか、聖書の一節など。それだけに集中し、他の事に意識が移ってしまったら、意識をもとに戻す。

第3週目
1日のある時間を設定し、その時間になったら毎日同じ事を必ずやる練習。例えば、「毎日午後5時に右にはめた腕時計を左にはめなおして、またすぐ右に戻す。」とか、「毎日午後8時にソファーの右サイドに並べてあるクッションを左サイドに移動させる。」など。、それまでやっていた行動と一切関係ない全然意味のない行動を毎日同じ時間になったら粛々と行うというもの。

第4週目
興奮しない練習。例えば。自分の子供が悪さをしたり、あるいはとっても良い事をしたりすると、ごく自然に、「ちょっと~、何やってんの~~~!!!」とか、「え~~!!!それは良かったわね~~~!」とかのリアクションをとってしまいますが、すぐにリアクションするのではなく、まず心を落ち着かせて、どんなリアクションがその状況に一番適しているかを熟慮したのち、「落ち着いて」リアクションするというもの。

なんだか、毎週毎週課題が難しくなってゆきます。こうして説明するのは随分と簡単ですが、実際にやってみるとなかなか出来ません。特に、第3週と第4週の宿題は、「ムムムム~」です。

私の場合、毎日正午に一番近くにあるドアを開いていたら閉める、閉まっていたら開ける、という作業内容にしました。1週間7日の内、5勝2敗の成績です。覚えていれば全く問題なく出来るのですが、忘れるとなるとコロッコロに忘れてしまって、ずっと後から思い出して「あ!!!!忘れてた~!!」と叫んでしまいます。

興奮しない練習というのも、全くもって大変です。ウチには11歳のボウズがいますから、興奮・憤慨することが随分と多いのです。落ち着いて叱るとか喜ぶって、難しいです。(そもそも、私、アツクなりやすい人間ですし…)

「サッカーボール、(学校の)屋根に上げちゃってさ~。」

などと言われますと、間髪入れずガミガミやっちゃいます。

そうじゃなくて、

「あら、そう。体育の先生とか8年生にちゃんとお願いして取ってきてもらえるの?もし、無くなっちゃってたら、自分のお小遣いで何とかするのよ~。」

とサラッといえるようにならないといけません。

今の私は、

「ちょっと~、また~~~??一体何やってんの!!!誰か取ってくれる人、いるの???もし無くなってたら、サッカーボールなんて絶対新しいの買ってあげないからね!!」(プリプリ)

となっています。

ま、まだ、人間が小さい。

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自分の心

「自分」

という存在。

誰かに、

「はい、右腕を挙げてくださ~い!」

と言われれば、簡単に右腕を上げることが出来ます。

「はい、目の前にあるケーキを1分で食べてくださ~い!」

と言われれば、「え~、1分で~?」と思いながらも出来なくはありません。

このような行動は、自分の体の一部を動かす訳ですから、すんなりと出来てしまいます。

さて。

「心」

という厄介なモノ。

心も自分の中にあります。つまりは、自分自身です。

かといって、腕を挙げるみたいに簡単に言うことを聞いてはくれません。

良い例が、恋愛。

誰か好きになってしまったりすると、爆走が始まります。途中で我に戻って立ち止まることが出来る人もいれば、「もう、どうにもとまらない~(古っ!)」と行くところまで行っちゃうなんて人がいます。

自分のものなのに、ココロはなかなかうまくコントロールできません。これは、おとな、こども、関係ないようです。

1円玉を用意してください。

時間は3分。

その3分の間、「1円玉のことだけ」考えてください。

たとえば、

「丸いな~」

とか、

「一円玉ってどうやって作ってるんだろぅ~」

とか、とにかくこの1円玉に関係することしか考えちゃいけません。

なにか、関係ないことが頭に浮かんできたら、出来るだけ早く1円玉に思考を戻してください。

3分間、この1円玉だけを見つめて、1円玉のことだけ考えるのです。

どうでしたか?

なかなか難しいですよね。

始めの15秒位は、何とか集中できましたが、2分、3分と進むと、何だか考えることがなくなってしまって、全然関係のないことがどんどんと頭の中でぐるぐるし始めます。

「隣の人、なに考えてるだろう。」

とか、

「あ~、何だか、おなか減ったな~」

とか、全く関係のないことばかり。

自分の心をコントロールするというのは、まことに難しいことです。

以上、「人智学」の講義での一場面です。

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